〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


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カテゴリ:北陸の作家( 30 )

江曽

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今日は雪の晴れ間です。また雪が続きます。
天気も良かったので、宮崎孝政のふるさと、七尾市江曽町に行ってきました。

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by bookrium | 2018-02-02 18:18 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

加能作次郎の作品

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昨年10月に訪ねた、加能作次郎のふるさと、志賀町西海風戸の海。

昨年は加能作次郎の図書館で借りやすい本を読み進めました。作次郎の原本以外で。
作品が重なる本とか、作次郎の幾つの時の作品か探しながら、年齢順に読むのが面倒だったので、my年表と作品一覧を手帳に書いてチェックして読みました。

ここでは、作品一覧を載せてみます。
マークは重なるところです。□5、■5、○5、●3、▲3、△2、・1冊になります。講談社文芸文庫が一番代表作を集めています。

『加能作次郎選集』
■恭三の父
▲厄年
・篝火
△汽船
△迷児
□世の中へ
・難船
・祖母
△屍を嘗めた話
・釜
・凧
・平和な村より
・子供の便り
●母
・父の生涯
○乳の匂ひ
・心境

『加能作次郎集』
・海の断章
・能登の西海岸
・能登の女
・海海鼠
・富来祭
・故郷の冬
・漁村賦
・夜撫で
■恭三の父
・一滴の涙
・弱過ぎる
・もどかしい事
・霰の音
・誑され
□世の中へ
○乳の匂ひ
・お鶴と宗吉
・花簪

『加能作次郎作品集 一』
小説
・嘘又
・極樂へ
・大人と子供
・生靈
・海邉の小社
・故郷の人々
・水は流れる
・犬
・猫
随筆
・ひとり言
・回顧
・土を戀ふ

『加能作次郎作品集 二』
・お富とその叔父
・痴惧
・松林の中
・醜き影
・或る夏のこと
・新婚の妻の手紙
・海に關する斷片

『石川近代文学全集 5 加能作次郎・藤沢清造・戸部新十郎』
■恭三の父
▲厄年
△羽織と時計
□世の中へ
・乙女心

『世の中へ 乳の匂い』講談社文芸文庫
■恭三の父
□世の中へ
○乳の匂い
△汽船
△迷児
△屍を嘗めた話
●母
△羽織と時計

『日本文学100年の名作 第2巻 1924-1933 幸福の持参者』新潮文庫
・幸福の持参者

『百年文庫 雪 加能作次郎・耕治人・由起しげ子』
●母

『大東京繁盛記 山手篇』平凡社ライブラリー
△早稲田神楽坂

青空文庫
■恭三の父
・海と少年
○乳の匂い
▲厄年
□世の中へ
△早稲田神楽坂


作次郎の好きな話はいくつもあります。
「世の中へ」「乳の匂い」はもちろん、おばあさんとおじいさんが孫そっちのけで凧をあげる話(凧)とか、継母にいじめられる少女が少しずつお金を貯めて花簪を夢見る話(花簪)とか、父のない子と母のない子が親の再婚で兄妹になり海へ舟を出しふたりで消えてゆく話(お鶴と宗吉)とか、好きな話です。
中でも「父の生涯」は、年代順に作次郎の周りの人たちのこれまでを読んできたので、積み重なって胸に迫り、村で3人しかいなかった文盲の父が作次郎へ書いた手紙に、涙が少し出ました。現代では『加能作次郎選集』にしか入ってないのがとても残念です。
加能作次郎はもっともっと読まれていいと思います。


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by bookrium | 2018-01-03 22:10 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

杉森久英の家

花嫁のれんを見に、七尾の一本杉通りを歩いていたら、ふと気づきました。
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杉森久英が金沢へ行くまで、10歳位まで住んでたんだなぁ、と。
没落士族の出で芸者になった義理の祖母、小学校の教員の母に挟まれていた。
6歳頃、七尾の郡役所の前庭を遊び場にしていたので、郡役所にいた19歳の島田清次郎とニアミスしていた可能性も。

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花嫁のれん館に行きました。
仏間に掛けられた花嫁のれん。
これは裏で、正面は仏壇に向いています。
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by BOOKRIUM | 2016-06-26 20:24 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

ちいさい雪

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〈ちいさい雪がふっています
 ともだちはみんな土の中
 春が来るまで眠ります
 しろの季節です〉
乙脇こえ「ちいさい雪」抜粋
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by bookrium | 2013-02-17 19:58 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

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〈わたしは微笑つてみた
 何気なくふいに
 その女もさうしてみせた
 そのあひだに何年も経つてしまつた〉
室生犀星
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by bookrium | 2013-02-01 00:00 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

千個の海のかけらが

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〈千本の松の間に千個の海のかけらが挟まっていた。少年の日、私は毎日それを一つずつ食べて育った。〉
井上靖「詩三題 千本浜」
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by bookrium | 2013-01-24 21:30 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

加能作次郎『母』

〈母は私には第二の母だった。〉
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〈「昔あったとい。」
 「聴いたわね。」
  (中略)
  冬の夜、外には雪が音もなくしんしんと降り積もっている。その雪の様に白く美しく、肉付のたっぷりとした膝頭を炉に炙りながら、苧を績みつつそんな風に語ってくれた母の姿が、声が、ありありと眼に見え、耳に聞こえて来る――。〉


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by BOOKRIUM | 2012-01-16 16:43 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

けふといふ日

〈時計でも
 十二時を打つときに
 おしまひの鐘をよくきくと、
 とても 大きく打つ、
 けふのおわかれにね、
 けふがもう帰って来ないために、
 けふが地球の上にもうなくなり、
 ほかの無くなった日にまぎれ込んで
 なんでもない日になつて行くからだ、
 茫々何千里の歳月に連れこまれるのだ、
 けふといふ日、
 そんな日があつたか知らと、
 どんなにけふが華かな日であつても、
 人びとはさう言つてわすれて行く、
 けふの去るのを停めることが出来ない、
 けふ一日だけでも好く生きなければならない。〉


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by BOOKRIUM | 2011-01-06 00:00 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

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〈(あなた、さぞお疲労(つかれ)、すぐにお休ませ申しましょうか。)
 (ありがとう存じます、まだちっとも眠くはござりません。先刻(さっき)体を洗いましたので草臥
 (くたびれ)もすっかり復(なお)りました。)
 (あの流れはどんな病にでもよく利きます、私が苦労をいたしまして骨と皮ばかりに体が朽(か)れましても、半日あすこにつかっておりますと、みずみずしくなるのでございますよ。もっともあのこれから冬になりまして山がまるで氷ってしまい、川も崖も残らず雪になりましても、あなたが行水をあそばしたあすこばかりは水が隠れません、そうしていきりが立ちます。
 鉄砲疵(きず)のございます猿だの、あなた、足を折った五位鷺(ごいさぎ)、いろいろなものが浴
(ゆあ)みに参りますからその足跡で崖の路が出来ますくらい、きっとそれが利いたのでございましょう。)〉
泉鏡花『高野聖』


手元のは高校生の時に買った、角川文庫クラシックスの。彼岸花と青い山のカバーが好きです。
写真はアオサギだと思います。
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by bookrium | 2010-10-03 22:32 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)
 〈たまたま地上に
  ぼくは生まれた
  生きる人間として
  デッサンの中に閉じこもって
  日々が過ぎた
  夜々が過ぎた
  ぼくはああした遊びをみなやってみた
  愛された
  幸せだった
  ぼくはこうした言葉をみな話してみた
  身ぶりを入れ
  わけのわからぬ語を口にして
  それとも無遠慮な質問をして
  地獄にそっくりな地帯で
  ぼくは大地に生み殖やした
  沈黙にうち克つために
  真実のすべてを言いつくすために
  ぼくは涯てしない意識のうちに生きた
  ぼくは逃げた
  そしてぼくは老いた
  ぼくは死んで
  埋葬された〉
ギュスターヴ・ル・クレジオ『愛する大地』(豊崎光一訳)

この詩は昔中島義道の本の冒頭で引用されていて、印象に残ってた。でも覚え違いをしていて、〈愛された/幸せだった〉の後は〈ぼくは死んで/埋葬された〉と続くと思っていた。〈ぼくは逃げた/そしてぼくは老いた〉を忘れていた。
室生犀星の「第二の故郷」を読むと、この詩のことを思い出す。


 〈私が初めて上京したころ
  どの街区を歩いてゐても
  旅にゐるやうな気がして仕方なかつた
   (中略)
  
  五年十年と経つて行つた
  私はたうたう小さい家庭をもち
  妻をもち
  庭にいろいろなものを植ゑた
   (中略)
  故郷の土のしたしみ味はひが
  いつのまにか心にのり移つて来た
  散歩にでても
  したしみが湧いた
  そのうち父を失つた
  それから故郷の家が整理された
  東京がだんだん私をそのころから
  抱きしめてくれた
  麻布の奥をあるいても
  私はこれまでのやうな旅らしい気が失せた
  みな自分と一しよの市街だと
  一つ一つの商店や
  うら町の垣根の花までもが懐かしく感じた

  この都の年中行事にもなれた
  言葉にも
  人情にも
  よい友だちにも
  貧しさにも慣れた
  どこを歩いても嬉しくなつた
  みな自分の町のひとだと思ふと嬉しかつた
   (中略)

  自分がゐるとみな生きていた
  みなふとつた
  どれもこれも永い生活のかたみの光沢(つや)を
  おのがじしに輝き始めた
  庭のものは年年根をはつて行つた
  深い愛すべき根をはつて行つた〉




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by bookrium | 2010-02-23 00:00 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)