〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


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2018年 09月 02日 ( 1 )

加能作次郎の痕跡

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石川県立図書館に加能作次郎が生前自著を寄贈しているのは、年表を見て知っていました。
大正9年12月博文館発行の『厄年』。25歳から小説を発表して、このころ35歳。写真は大正10年3月の再版。1円80銭。
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ページをめくると、御成婚記念のハンコ。のり付けで誰の御成婚かわからない。
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このページを見て、加能作次郎が確かに生きていたんだな、とうれしくなりました。西海風戸の海や景色、お墓や、生家や、作品に、加能作次郎の世界は生きていますが、〈昭和二年三月十六日 加能作次郎氏寄贈〉という言葉が、42歳の作次郎が石川の人にきっと読んでほしくて自分の出てる本を寄贈したこと、なんだか私も作次郎とつながったみたいで、うれしくなります。

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目次。

連載のために作次郎の本を読みました。

『加能作次郎選集』
『加能作次郎集』
『加能作次郎作品集 一、二』
『世の中へ 乳の匂い』講談社文芸文庫
『石川近代文学全集5』
『日本文学100年の名作 第2巻』
『百年文庫 雪』
青空文庫

被ってないお話は、「発途」「秋の音」「火難」「二階の患者」「醜い女」でした。

没後の選集に入っていないお話はまだまだあると思うので、作次郎の寄贈本を、これからコツコツと読んでいきたいなと思ってます。
作次郎が楽しみにしていたであろう『乳の匂ひ』、亡くなってすぐ牧野書店から出た本は、図書館から借りて読みました。生きていたら、作次郎自身が寄贈したのかもしれません。
フリーペーパー1号で加能作次郎文学碑の除幕式について書きましたが、呼ばれた青野季吉、広津和郎、宇野浩二が語り合う言葉。
忘れられない言葉、忘れたくない言葉です。

「‥‥やつぱり、狭くても、加能の小説は、いいね」

「却つて、ああいふ小説は、殘るね、‥‥」








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by BOOKRIUM | 2018-09-02 20:12 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)