〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


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「ふるさとは遠きにありて思うもの」

c0095492_19525436.jpg「石川近代文学全集3 室生犀星」です。今まで詩しか読んでいなかったので、小説の犀星は新鮮。

「性に眼覚める頃」「或る少女の死まで」など有名な作品を読む。金沢の犀川大橋ほとり、犀星の育った雨宝院を思い出しながら。若い日々の屈託がいいです。

「後の日の童子」という作品が印象的。作家の元にたびたび訪れる童子。作家も妻も死んだ我が子とわかっていて歓迎する。生まれた赤ん坊に童子は近寄らない。日が暮れると童子はどこかへ帰ってゆく。足跡に這うのはヤスデ。童子はだんだん作家と妻の目にはかすんで見え、遠くなっていく…。

短い話ですがせつなくていいです。

犀星の詩を知ったのは高校生の時。女優の緒川たまきさんが「昨日いらつしつてください」という詩を紹介しているのを目にしました。図書館で借りてノートに書き写したのを覚えています。

その後は21位の時に、広坂の近代文学館前にあった頃のダックビルで、文庫本の犀星の詩集を手にしました。その本で「まだ知らない友」という詩を読みました。

広坂当時のダックビルはガラス貼りの四階からレンガの近代文学館や桜の緑を見下ろして、静かな空間でした。当時はブックカフェに馴染みがなかったので、飲み物をたのまなかったことをやや後悔。たくさんの本が静かに収まっていて、眺めていると本たちがいろんな世界につながっている気がしていました。
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by bookrium | 2007-01-30 19:52 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)