〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


by bookrium
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立夏——『月の家族』

立夏(りっか)……太陽の光がいよいよ強くなってきて、夏の気立ちが昇るころ。この日から立秋の前日までが夏。


〈満月など月に一度もあるかないかの不安定な精神生活の中に妹と私は置かれ、私の両親はそれを再生産して暮らしていました。〉

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島尾伸三『月の家族』のあとがきより。

〈ーー冷たくなり死にそうになった私を幾度も救ったと母は言いました。私は死んでもよかったのにと思いましたが口には出しませんでした。後になってからも、あの時に死んでいたら楽だったのにと思うことが幾度もありました。〉
「小さな注射器」

著者は作家島尾敏雄・ミホ夫妻の子供として生まれた。
島尾敏雄の『死の棘』に幾度も出た子供の名前。伸三の娘のしまおまほの本も読んで、これも読みたくなりました。

〈母は病的なまでに心配をするかと思うと、無茶を平気で小さな子どもにもさせるのです。〉


〈私の子どもは幸いにも、私の幼年時代にくらべると、子どもの身ではどうしようもない戦争や家庭が原因の不愉快な思いや苦労は、とても少ないはずです。それからするなら、これくらいの冒険はむしろ、健康な彼女には楽しいのかもしれません。〉
「小さな冒険」

影のある部分と、奄美の〈シマ〉の言葉をまじえた子供時代。
妻と娘という家族を得た著者の、あとがきの言葉がすきです。

〈この小さな暮らしが気にいっています。〉



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by bookrium | 2012-05-05 16:51 | 当世本二十四節気 | Trackback | Comments(0)