〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


by bookrium
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

宮崎孝政の痕跡

c0095492_16212447.jpeg
石川県立図書館で借りた、宮崎孝政が生前出した3冊の詩集。大正15年『風』、昭和4年『鯉』、昭和6年『宮崎孝政詩集』。

c0095492_16220665.jpeg
『風』を開くと、宮崎孝政の字が。かわいい字です。

c0095492_16225518.jpeg
森林社から大正15年9月10日に発行。孝政はその月に、このはじめての詩集を寄贈していました。
序詩は室生犀星。〈すなどりの子、網をもて/かたみに己が寂しさを打たなむ。〉
序文は杉江重英。〈宮崎の詩を讀んでゐると、どこかはげしい彼自身の性格が、想ひ浮かべられて來るやうである。はげしいが、しかしどこかまた物寂しげな様子の、彼自身の姿も想ひ浮かべられて來るやうである。〉

c0095492_16232569.jpeg
『鯉』のカット。孝政は大頭だったみたいです。

c0095492_16234569.jpeg
鯉社から昭和4年8月7日印刷、9月10日発行。9月2日に寄贈されています。
序詩の「鯉」やっぱりいい。
〈あいつはやがて氷をわるだらう/ あいつが自分の額で/氷をひりひりひきさいてゐる音だ〉

『能登』春号で取り上げた宮崎孝政。もう一度ゆっくり、また読んでみたいなと思っています。






[PR]
# by BOOKRIUM | 2018-10-20 20:35 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)
c0095492_17414267.jpg

地産地消文化情報誌『能登』33号が発売です。
今回の特集Iは、今年の能登國千三百年、歴史散歩の最後を締める珠洲郡です。
「珠洲焼の里」を訪ねる。表紙のステキなお料理の写真。黒い器に映えます。
珠洲焼の特集をした雑誌は、20年位前のアクタス以来かなと思います。より広く、古陶も現代もわかりやすい内容です。
珠洲焼が戦国時代に一度途絶え、40年前に復興し、現在までの年表もわかりやすいです。
魅力あふれる古陶。個性あふれる窯元。取材を受けたみなさんの珠洲焼への思いや言葉、じっくり読みたいです。
6月の陶磁研究家森由美さん、珠洲焼作家篠原敬さん、泉谷市長の鼎談が収録されているのも貴重です。
珠洲焼の器が出てくる料理店の紹介と、お料理の写真もたのしい。
珠洲焼をこれだけ深く取り上げる雑誌は、当分出ないと思います。ぜひいろんな方に見てほしいです。

特集IIは古民家で憩う。農家レストランで行きたいお店がまた増えました。

芝雪の連載「能登文学紀行」の第4回は〈宮本輝 わかれの光〉。
『幻の光』とエッセイについて書きました。
連載1年経ちました。調べて読んで書いて。たのしいです。
この1年分、取り上げる人ははっきり決めていました。第1回は加能作次郎しかない、と。1年続いたら、次の冬に取り上げたい人もずっと決めていたので、今コツコツ調べて読んでます。たのしいです。
調べていくなかで、自分が昔の地元の雑誌を見て感銘を受けたように、『能登』も時間が経っても、珠洲焼をしたい若い人や、能登を調べている人、能登の文学を知りたい人に、伝わればいいなと思います。



[PR]
# by bookrium | 2018-10-14 17:41 | 本のまわりで | Comments(0)

お茶席

c0095492_20182000.jpeg

今日から3日間行われる金沢城・兼六園大茶会。中村記念美術館の旧中村邸でのお茶席に行ってきました。
自分の急須が使われているのを見て、緊張しました。
勉強になりました。

[PR]
# by BOOKRIUM | 2018-10-06 20:15 | 陶芸 | Trackback | Comments(0)

住井すゑ「ふしぎ」

c0095492_15581113.jpeg

91から95年の「新潮文庫の100冊」案内。92年はないです。
角川文庫、集英社文庫と合わせて何十年、毎年3冊もらっても、どんどん溜まるから捨ててしまったのですが、この4冊はキャッチコピーも好きで、こどもの時何度も読み返しました。95年は冒頭の文章もそれぞれ載っていておもしろい。

c0095492_15595101.jpeg

93年のブックエッセイには、住井すゑの「ふしぎ」が載っています。この文章が昔からすごく好きです。93年は2冊持っていたので、ひとつは切り抜きました。

〈何がふしぎと言って、人と文字のかかわりほど、不思議なものはありません。もし、人の世に文字がなかったら、人はどのような暗がりに落ち込み、迷い込み、うめきつづけて居なければならなかったか? 想うだけでわたしは慄然とします。〉

c0095492_16013985.jpeg

〈文字は光です。それはすべて照し、すべてを温め、すべてを育みます。人為でありながら、それは法則のように機能します。私には、これも亦不思議で、この不思議の前には、ただ、笑って頭を下げているしかありません。〉

短い文章ですが、〈文字は光です。〉この言葉は、こどもの時に明るく打たれました。〈文字〉に、笑って頭を下げて生きていくのがいいです。

〈さて、このような偉大な文字の世紀にめぐり会えて、私たちは、いったい、これをどう受け止め、どう消化すべきなのでしょうか。
「それは、その文字の世界に飛び込む以外にない!」
どう考えても、これ以外に答えが浮かびませぬ。そして、おそらく、これが一番のみちなのでしょう。
幸いにして、何の身構えもなく、易々と飛び込める文字の世界があります。"文庫"という名の、文字の世界です。〉

ある夏から今まで、何度読んだかわかりません。
この文章をたいせつにして、連載の文章を書いています。
住井すゑは1902年生まれ、1997年に亡くなりました。この文章は91歳のときの言葉です。

〈宇宙の神秘とも、易々とふれ合えるこの道を、皆さまと共に歩めるしあわせに感謝します。〉






[PR]
# by BOOKRIUM | 2018-10-03 15:55 | 好きな本 | Trackback | Comments(0)

フィルム風写真3

RNI Filmで加工

c0095492_20481438.jpg
SLIDE Fuji Astia 100F v.2(au Cyber-shot ケータイ S001)

c0095492_20481447.jpg
VINTAGE Agfacolor 50's(S001)

c0095492_20481415.jpg
INSTANT Fuji FP100C v.3(S001)

c0095492_20481462.jpg
BW Agfa Scala200 Faded(iPhone6)

POMELOで加工
c0095492_20481529.jpg
Film Gold(S001)

c0095492_20481578.jpg
LOMO Tilt-shift(iPhone6)

c0095492_20481573.jpg
B&W Silver(iPhone6)

[PR]
# by bookrium | 2018-09-11 20:48 | | Comments(0)

フィルム風写真2

フィルム風アプリPOMELOでもあそんでみました。
全部iPhone6で撮影しています。

c0095492_2143353.jpg
Film Pravia

c0095492_21433558.jpg
LOMO Tilt-shift

c0095492_21433514.jpg
Film vista + Leak Bloom

c0095492_21433543.jpg
LOMO Lomo

c0095492_21433680.jpg
VINTAGE 1970


[PR]
# by bookrium | 2018-09-10 21:43 | | Comments(0)

フィルム風写真

このブログの写真は以前は携帯、今はiPhone6です。
フィルムみたいな感じのデジカメがあればなぁと思っていたところ、今はフィルム風に加工するアプリがたくさん無料で出てました。
とりあえずRNI Filmsであそんでみました。

c0095492_18554997.jpeg
INSTANT Fuji FP 100C v.2(iPhone6)

c0095492_18550959.jpeg
VINTAGE Agfacolor 50's Muted(iPhone6)

c0095492_19082108.jpeg
VINTAGE Agfacolor 40's Warm(iPhone6)

c0095492_19131961.jpeg
Fuji Astia 100F(iPhone6)

c0095492_19185731.jpeg
Agfa Optima200 Faded(iPhone6)

c0095492_19250255.jpeg
INSTANT Fuji FP 100C v.6 Expired(au Cyber-shot ケータイ S001)

c0095492_19301286.jpeg
BW Agfa Scala 200 Faded HC(S001)

c0095492_19370874.jpeg
INSTANT Fuji FP 100C v.4(S001)

c0095492_19444271.jpeg
SLIDE Agfa RSXⅡ v.2(S001)



[PR]
# by BOOKRIUM | 2018-09-10 18:28 | | Comments(0)

作次郎のひとり言

c0095492_21500285.jpeg

〈私のこのやうな作品は、小説として本格的なものかどうかの論はさし置いて、恐らく今日の時代に於て、非時流なものだらうと思はずに居られない。〉「ひとり言(序に代へて)」

事変以来、戦争小説、国策物が増えてきた中で、便乗することも好むこともなかった加能作次郎。
私小説や心境小説の類は影をひそめた、その代わりに、〈時流的なあまりに時流的な、また、小説的なあまりに小説的な作品が多過ぎるのも事実である。〉

父について、母について、お信さんについて、珠のような小説を書いた。

〈さういう中に、このやうな私の作品集の一冊位はあつても、却つて変つてゐていいかも知れない。〉

昭和16年7月下旬に作次郎は記し、8月5日に急死した。
久しぶりの作品集『乳の匂ひ』の朱を入れた校正刷りが枕元に置かれる。表紙の字を10枚も20枚も下書きした『乳の匂ひ』は、没後すぐに刊行された。

〈矢張り相変らず自分自身の片隅で、自分自身の声に耳を傾けながら、恰も靴屋が靴を作るやうに、こつこつと自分の身に適つた作品の製作に精進してゐる外はなかつた。〉

広津和郎は「美しき作家」で友人加能作次郎について書いている。

〈時流に迷わされる事なく、彼自身の道をとぼりとぼり歩いて来たといへる。〉

〈異常に正直な加能君は、文壇に生きる戦法を知らなかつた。いや、知つてゐたとしてもそんな戦法を彼は取ることが出来なかつた。彼が材料の範囲を拡げずに、みづから狭い範囲にくぎつたのも、恐らく彼のはにかみからに違ひない。〉



[PR]
# by BOOKRIUM | 2018-09-08 21:48 | 北陸の作家 | Comments(0)