〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


by bookrium
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いままで書いた中で、

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自分の好きな3冊。

『夏の読書』
『妙子への手紙』
『笹舟日記』

他気にいってるのは、

『冬の宿』
『二月十四日』

とか。
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by BOOKRIUM | 2010-07-26 14:58 | | Trackback | Comments(0)

日没

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by BOOKRIUM | 2010-07-21 00:55 | 奥能登歳時記 | Trackback | Comments(0)

金の海

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〈モンドはこんなことをするのが大好きだった。つまり両膝を抱えて砂浜に腰をおろし、陽がのぼるのを眺めるのだ。四時五十分、空は澄んで灰色、海の上に霧のような雲が二つ三つあるだけだった。太陽はすぐには姿を現さなかったが、モンドにはそれが水平線の向う側にやって来ていて、燃え上がる炎のようにゆっくりとのぼってくるのが感じられた。まず最初に淡い輪光が現われて大気にその染みを広げてゆき、まるで何か努力をしているとでもいったように、水平線を震わせるあの奇妙な振動が自分の奥底に感じられるのだった。そのとき水の上に円盤が姿を現わし、光の束をまっすぐに眼に投げかけ、海と大地は同じ色をしているように見えた。一瞬の後、最初の色、最初の影が現われた。〉「モンド」ル・クレジオ (豊崎光一/佐藤領時=訳)


写真は沈む陽です。この写真は長沢哲夫さんの詩の方が合ったかも。
「モンド」は『海を見たことがなかった少年』に収録されています。



 
海を見たことがなかった少年 モンドほか子供たちの物語 (集英社文庫)
ル・クレジオ
集英社
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by bookrium | 2010-07-18 18:11 | 好きな本 | Trackback | Comments(0)

『海亀日記』宮内勝典

〈長沢哲夫の詩を読んでいるうちに、突然、思い出したことがある。〉
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二千年三月三〇日の作家の日記。
かつて、与論島を去って、図書館長をしている島尾敏雄を訪ねて、奄美大島に渡った。島の内陸部を延々と歩く宮内は、与論島の波打ち際から大きなシャコ貝を持ってきていた。白く風化した、見事なシャコ貝。空腹のつらさに重い貝をあきらめて、宮内は奄美の大樹の下に貝を埋める。いつか戻ってくるつもりで。


〈長沢哲夫の詩を読み返しているうちに、突然、その記憶が甦ってきた。あのシャコ貝は、いまも奄美大島のどこかに埋もれているにちがいない。〉



 〈海の上では何もかも燃えつきてしまう
  人はただ流され孤独の糸をひいているようにみえる
   (中略)
  そうなのだ まだまだあるなどとは思ってはいけない
  まだ誰もいないのだし
  これからだって誰がいるわけでもない
  糸は切れていて
  海の上では何もかも燃えつきてしまう〉



〈船が寄りつくことさえ困難な岩だらけの火山島で、いま長沢哲夫は飛び魚の刺し網漁に精を出しているはずだ。一方で、このような言葉が、かれの意識に浮かんでいる。ノート・パソコンのキーを叩いて、その言葉を電子空間に送りだしながら、ぼくは沈黙してきた畏友の息づかいを感じている。その孤島の火口のへりに立つと、煮えたぎる赤いマグマが肉眼でもはっきり見えるのだ。〉

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  〈やわらかい太陽のこめかみから
   世界のひもが湧き出てくる
     (中略)
   おろおろすることはない 世界はもぬけのからだ
   ふり返らなくてもいい 心は次々に水に溶けていってしまう
   出かけよう
   そして 旅が終わったら 美しい河のほとりで会おう〉

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by bookrium | 2010-07-12 17:14 | 好きな本 | Trackback | Comments(0)