〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


by bookrium
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カテゴリ:北陸の作家( 28 )

杉森久英の家

花嫁のれんを見に、七尾の一本杉通りを歩いていたら、ふと気づきました。
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杉森久英が金沢へ行くまで、10歳位まで住んでたんだなぁ、と。
没落士族の出で芸者になった義理の祖母、小学校の教員の母に挟まれていた。
6歳頃、七尾の郡役所の前庭を遊び場にしていたので、郡役所にいた19歳の島田清次郎とニアミスしていた可能性も。

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花嫁のれん館に行きました。
仏間に掛けられた花嫁のれん。
これは裏で、正面は仏壇に向いています。
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by BOOKRIUM | 2016-06-26 20:24 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

ちいさい雪

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〈ちいさい雪がふっています
 ともだちはみんな土の中
 春が来るまで眠ります
 しろの季節です〉
乙脇こえ「ちいさい雪」抜粋
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by bookrium | 2013-02-17 19:58 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

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〈わたしは微笑つてみた
 何気なくふいに
 その女もさうしてみせた
 そのあひだに何年も経つてしまつた〉
室生犀星
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by bookrium | 2013-02-01 00:00 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

千個の海のかけらが

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〈千本の松の間に千個の海のかけらが挟まっていた。少年の日、私は毎日それを一つずつ食べて育った。〉
井上靖「詩三題 千本浜」
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by bookrium | 2013-01-24 21:30 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

加能作次郎『母』

〈母は私には第二の母だった。〉
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〈「昔あったとい。」
 「聴いたわね。」
  (中略)
  冬の夜、外には雪が音もなくしんしんと降り積もっている。その雪の様に白く美しく、肉付のたっぷりとした膝頭を炉に炙りながら、苧を績みつつそんな風に語ってくれた母の姿が、声が、ありありと眼に見え、耳に聞こえて来る――。〉


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by BOOKRIUM | 2012-01-16 16:43 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

けふといふ日

〈時計でも
 十二時を打つときに
 おしまひの鐘をよくきくと、
 とても 大きく打つ、
 けふのおわかれにね、
 けふがもう帰って来ないために、
 けふが地球の上にもうなくなり、
 ほかの無くなった日にまぎれ込んで
 なんでもない日になつて行くからだ、
 茫々何千里の歳月に連れこまれるのだ、
 けふといふ日、
 そんな日があつたか知らと、
 どんなにけふが華かな日であつても、
 人びとはさう言つてわすれて行く、
 けふの去るのを停めることが出来ない、
 けふ一日だけでも好く生きなければならない。〉


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by BOOKRIUM | 2011-01-06 00:00 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)

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〈(あなた、さぞお疲労(つかれ)、すぐにお休ませ申しましょうか。)
 (ありがとう存じます、まだちっとも眠くはござりません。先刻(さっき)体を洗いましたので草臥
 (くたびれ)もすっかり復(なお)りました。)
 (あの流れはどんな病にでもよく利きます、私が苦労をいたしまして骨と皮ばかりに体が朽(か)れましても、半日あすこにつかっておりますと、みずみずしくなるのでございますよ。もっともあのこれから冬になりまして山がまるで氷ってしまい、川も崖も残らず雪になりましても、あなたが行水をあそばしたあすこばかりは水が隠れません、そうしていきりが立ちます。
 鉄砲疵(きず)のございます猿だの、あなた、足を折った五位鷺(ごいさぎ)、いろいろなものが浴
(ゆあ)みに参りますからその足跡で崖の路が出来ますくらい、きっとそれが利いたのでございましょう。)〉
泉鏡花『高野聖』


手元のは高校生の時に買った、角川文庫クラシックスの。彼岸花と青い山のカバーが好きです。
写真はアオサギだと思います。
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by bookrium | 2010-10-03 22:32 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)
 〈たまたま地上に
  ぼくは生まれた
  生きる人間として
  デッサンの中に閉じこもって
  日々が過ぎた
  夜々が過ぎた
  ぼくはああした遊びをみなやってみた
  愛された
  幸せだった
  ぼくはこうした言葉をみな話してみた
  身ぶりを入れ
  わけのわからぬ語を口にして
  それとも無遠慮な質問をして
  地獄にそっくりな地帯で
  ぼくは大地に生み殖やした
  沈黙にうち克つために
  真実のすべてを言いつくすために
  ぼくは涯てしない意識のうちに生きた
  ぼくは逃げた
  そしてぼくは老いた
  ぼくは死んで
  埋葬された〉
ギュスターヴ・ル・クレジオ『愛する大地』(豊崎光一訳)

この詩は昔中島義道の本の冒頭で引用されていて、印象に残ってた。でも覚え違いをしていて、〈愛された/幸せだった〉の後は〈ぼくは死んで/埋葬された〉と続くと思っていた。〈ぼくは逃げた/そしてぼくは老いた〉を忘れていた。
室生犀星の「第二の故郷」を読むと、この詩のことを思い出す。


 〈私が初めて上京したころ
  どの街区を歩いてゐても
  旅にゐるやうな気がして仕方なかつた
   (中略)
  
  五年十年と経つて行つた
  私はたうたう小さい家庭をもち
  妻をもち
  庭にいろいろなものを植ゑた
   (中略)
  故郷の土のしたしみ味はひが
  いつのまにか心にのり移つて来た
  散歩にでても
  したしみが湧いた
  そのうち父を失つた
  それから故郷の家が整理された
  東京がだんだん私をそのころから
  抱きしめてくれた
  麻布の奥をあるいても
  私はこれまでのやうな旅らしい気が失せた
  みな自分と一しよの市街だと
  一つ一つの商店や
  うら町の垣根の花までもが懐かしく感じた

  この都の年中行事にもなれた
  言葉にも
  人情にも
  よい友だちにも
  貧しさにも慣れた
  どこを歩いても嬉しくなつた
  みな自分の町のひとだと思ふと嬉しかつた
   (中略)

  自分がゐるとみな生きていた
  みなふとつた
  どれもこれも永い生活のかたみの光沢(つや)を
  おのがじしに輝き始めた
  庭のものは年年根をはつて行つた
  深い愛すべき根をはつて行つた〉




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by bookrium | 2010-02-23 00:00 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)
〈さよなら、をんなのひとよ、
 私のおわかれのうたを
 さまざまな形でここにおくる。〉
「とらへられざるままに」抄

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〈あなたがたも 私も
 うしろを見たことがない
 うしろに音となつて
 つぶれた毎日のあることを
 毎日が死体となつて墜ちてゆくのを
 見ようとも知らうともしないのだ
 
 けれど先きの日がきらめいて
 何が起り何が私共を右左するか判らない
 また先きの日のおばしまに
 誰かが思案に暮れ 待ちわびてゐるかも判らぬ
 先きの日を訊ねて見よう
 何処かにあるはずの先きの日〉
「先きの日」抄


〈山のあなたに幸ひ住むと、
 むかしの詩人はうたつたけれど、
 山の向ふも山ばかりが聳え、
 果には波打つ海があるだけだ。
 なにごとも為しえなかつたごとく、
 為しえなかつたために、
 見極めがつくまで生きねばならない。
 街のむかふも街だらけ、
 果には山があるだけだ、
 幸福なんぞあるかないかも判らないが、
 生きて生き抜かなければならないことだけは確かだ。〉
「あさきよめ」抄

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「先きの日」は、〈けれど先きの日がきらめいて〉というのが好き。
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by bookrium | 2010-02-06 13:00 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)
中谷宇吉郎の〈雪は天から送られた手紙である〉も好きだけど、歌にある〈雪に言葉はない 手紙も届けられない〉というフレーズ(SNOW)も好きです。
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〈生命の世界にも、物質の世界にも、全くおなじ理法が存在しているということは、非常におもしろいことである。そういうことを、べつにおもしろいとも感じない人は、科学の美とは、無縁の人である。そして、ある意味では、幸福な人である。慾望の少ないことが、幸福の一要素であるから。〉

〈この六花状の結晶は、昔からよく知られていて、雪の結晶の代表的な形とされている。(中略)また六角柱の上下に、六花状の結晶がのび出していることもある。横からみると、鼓のような形にみえるので、鼓型の結晶と呼ぶことにしている。
 鼓といっても、これは高さ一ミリくらいの小さな結晶で、おとぎばなしの国の鼓である。もっとも、注意して見れば、肉眼でも、二階建てになっていることが、よくわかる。
 こういう鼓がふるとき、外套の袖をしばらくつき出していると、何百という小人の国の鼓が、しずかに袖の上につもってゆく。雪山の人里はなれたところで、雪の上に腰をおろして、じっとこの鼓を見つめていると、だれの心にも少年の日の夢がよみがえってくる。〉
中谷宇吉郎「誰も生まれないまえから雪は降っていた」


 
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by bookrium | 2010-01-15 15:09 | 北陸の作家 | Trackback | Comments(0)