〈bookrium=book+aquarium〉本の海を回遊するブックリウムの、本と陶芸のある生活です。


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『直島から瀬戸内国際芸術祭へーー美術が地域を変えた』

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2016年に現代企画室から出版された本。
瀬戸内国際芸術祭のこれまでが、よくわかる本です。読んでいてわくわくする本はひさしぶりです。
第1章は福武總一郎による30年近く瀬戸内・直島から広がる、アートで地域を切り拓いてきた活動。誰もしなかったことを開拓していく様子が刺激的でした。

〈アートというものは特権を持った一部の人のものではありません。〉

白内障に罹った晩年のモネの睡蓮に執着する中での言葉に惹かれます。
〈具象的であればあるほど深みがないというか、描かれているものとの対話の幅が狭い。〉
モネも現代アートも、自由に好きなように、自分の精神的な部分と対話できる広がりをもっています。

〈「すぐれたアーティストは、体制に対する反逆精神を持っていなければならない。現代美術を志す人は革命的でないといけない。」と話したことがあります。現代美術の作家がメッセージを込めた、唯一の作品かどうかということが、私なりの作品を見る基準であることは、いまも昔も変わりません。〉
この言葉は強く惹かれました。

第2章からは北川フラムによる瀬戸内国際芸術祭の展開、アジアへの広がりについて。展示された作品の写真も多く、読みながら楽しめます。
第1回の瀬戸内国際芸術祭終了後から始まった新聞の連載がおもしろいなと思います。芸術祭を介して多くの人がつながっていく過程が、易しい言葉で綴られています。

〈芸術祭は、私たちがどこから来て、どんなふうに生きてきたかを知ることを目的にしています。そしていろいろな人とつながれたらいいと思っています。〉

連載の途中には珠洲を訪れていることも書かれていました。また、珠洲で書かれた原稿もあり、瀬戸内と能登の似た基盤について書かれています。

この「瀬戸内物語」という連載で北川フラムが触れる本は、読みたいなという気持ちにさせてくれます。
メモ
谷川健一『日本の地名』
堀田善衛『定家明月記私抄』
白洲正子『西行』
大杉栄
宮本常一『民俗学の旅』
高村薫『空海』
リンドバーグ夫人『海からの贈り物』




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by bookrium | 2017-09-11 19:51 | 奥能登国際芸術祭 | Trackback | Comments(0)